RecoChoku Tech Nightに参加してきました

先日XP祭りに参加して、久しぶりにブログにUPするまでが勉強会ですという言葉を聞いたのと、レコチョクさんのイベントで話を聞いて、これはぐわっと書きたいなという衝動があったので、書きますw。残念ながらイベントのレポートではなくて、自分が感じたことを書くだけですが。

eventdots.jp

 

もともとこの日は予定があったのですが、まるで誘われるがごとく予定が空いたのと、増席のおかげで参加することができました。(笑)申し込みの時点ではLTでいろいろお世話になった@georzさんが発表者とは認識できたなかったんですけどね。

 

まずはレコチョクさんのイベントという話よりもdotsさんで行っている企業主体のイベントについてですが、場(イベントの外枠込で)の提供という面白い仕組みだなぁと感じている部分と、この大きさで人を呼べる場を提供してもらっていることには感謝です。参加されている方々もリピーターの人もいそうで、懇親会の時間は普通にみんな話していて、これはファシリテーターとしてもすごいなぁと。場のオープン性かなぁ…。とこの辺りはまたどこかで語りたいなと。

 

さて、いよいよレコチョクさんのイベントの話ですが、実は最初のセッションを聞き始めた時は、「へ~、そういう感じで開発してるんだぁ」というくらいの軽い情報のINPUTだけだったのですが、話をどんどん聞いていってLTくらいまで行くと、これはすごい話なんじゃないか!?という感じになりました。そういう意味では、全体をdotsさん主体で進めずに、がっちりとレコチョクさん主体で「変革」について流れをつくり、セッションとセッションを全体の一部として見せるようなデザインでもよかったのかなと思いました。一つ一つを聞くと、スタートアップ系の事業の最近の動向を押さえた開発の事例という感じになってしまっていて(それだけでも本当は「お~、攻めてる!」となってはいたのですが)最新のクラウド方面的な開発が行える会社なんだなぁ、働いてみたいなぁという感じですが、技術的負債に立ち向かった話として、そして組織としてチームとして、プロジェクトとしての痛みを伴う「変革」を決断できる企業という本体を見せることで、もっと「ぎりぎりを攻める!!」という感触をつかめた人もいたのかなと。昔も技術的負債に立ち向かった伝説的なスライドがあった気がする…。

 

昔Yahooさんの「爆速」的な話を聴いた時のインパクトと似ていましたが、各自の直観と裁量、そしてそれを受け入れる組織としての状態自体が、社内政治と下請け体質にどっぷりと浸かっていた私にとっては衝撃的でした。どなたかの質問で「抵抗勢力は?」みたいな話がありましたが、あまりなかったようで…というよりは、そういう段階ではないという「強い意思」みたいなものが語られてはいませんでしたが、あったのだろうなと。その「変革」に対しての組織としての対応の中では、現場の仕事との平行稼働も大変だったでしょうし、一部では受託に近いパートナーさんとのやり取りの中で苦労した部分もあったでしょうし、そのあたりの話も私は聞きたかったです。とここまで書いて、「そのあたり」の話は、もしかしたらこれからエンジニアで活躍していこうという人たちにはあまり響かないのかもしれないなとも思えてきました。得たいものは「今」であって、「過去」ではないし、「プロセス」という部分に興味を持ったり、そこで力を発揮するようになるのは、もう少し先の話か…。

 

 このレコチョクさんのRecoChoku Tech Nightは11月あたりに続きがあるということなので、今回はLTだった@georzさん「日本一の音楽サービスでスクラム開発やってみた」の続きが楽しみです!

 

 

 

 

「教育イノベーション」を推進するリーダーが集結!事例から見る教育の未来とは?に参加してきました。

先日、DODA主催のイベントに参加してきました。
恥ずかしながら参加して初めて一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉誠一郎先生(以下、米倉先生)を知ったのですが、講演の内容よりもまず米倉先生のファシリテーション能力というか、場づくりの仕方がすごいと感じました。簡単に言うとイベント内での「質問することは貢献である」という文化を先生のキャラも活かしながら短時間で作り上げてしまったのです。テーマの本質とズレると思われるでしょうが、そもそも「多数の人がいる場で質問することができない」ということ自体が「1つの正解を答えること」から「間違うと恥ずかしい」を教え込んできた日本の教育の影響であるということも伝えていらっしゃいました。

doda.jp

基調講演:なぜ日本に「教育イノベーション」が必要なのか?

 米倉先生の講演で私の中に印象強く残ったのは、2つ。1つはINPUT型からOUTPUT型の教育にシフトする必要があるという話。2つ目は教育全体に関わるような課題の話。

 

INPUT型からOUTPUT型の教育へ

 OUTPUT型の教育という話は、ただOUTPUTすればいいという話ではなく、そもそもOUTPUTするにはただINPUTするよりも3倍のINPUTをしないとOUTPUTできないということでした。そもそも今の教育の中では「発言」や「質問」に対するマインドセットが正解を答えるためのものなので、発言や質問が他の人の貢献になるというマインドセットに変わらないといけないという。さらに質問しようと思えば人の話も真剣に聞くでしょうと…。そしてOUTPUT型に変えるには教師の関わり方も変えなければならなくて、ディベートを促したりファシリテーションする部分が出てくるという話が私にとってはぐっとくる話でした。

 

教育全体に関わるような課題

 教育イノベーションが必要な理由として話されたのですが、まず世界的に日本人はトップにはなれず「部下」にしかなれなくなってきているという状況を伝えた上で、その理由が教育に起因しているとのことでした。以前は見本(目指す答え)があって、それに如何に慣れて踏襲して実行するかが求めれていたということもあったが、答えがないものに対しては自分で情報を収集して仮説を立てて検証し、そして選択することが必要なのですが、それができるようになる教育になっていないという話。これは社会的な仕組みも影響してて、大学に入るのは良い企業に入るためで、高校はその良い大学に入るためのものになり、中学までの義務教育以降が学歴を手に入れるための教育になってしまっていて、本来は「考える力」を付ける場である場所が大学に至っては、社会人になる前の「レジャー時代」という意味付けになってしまったということでした。この話は私的にも耳が痛いというか、まさにそういう大学生活を送りました…。

 この社会的な仕組みも含めた部分では企業が学生を学歴で選ぶのをやめて学力で選ぶようになることが必要。そして、もっと大きな視点でいえば「やり直しがきく社会」になることが必要だとおっしゃっていました。学生の時点で仕事としてやりたいことというのはそう簡単に見つかるものでなくて、自分が成長する為に社会に出て企業に入り、そこで自分が成したいことを見つけながら成長し、見つかったら大学や大学院に進んで学び、得たいものを得ていくと…。

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(私のメモ書き)

 

 2人目のTeach For Japanの松田悠介さんの話は「教員」についての話で、Teach For Japanではいろんな社会経験を積んだ人を教員となるために教育し、実際に学校に派遣をしているとのこと。社会的な背景としては貧困の差が学歴の差になってしまっていて、地域の過疎化という面でもすべてのところに「公平に」教育が提供できていないというところがあると認識しました。教員が行うべきことは一斉教育的につくられていて「理解できない」人を拾いながら進むことが難しい。「つまらない」「ついていけない」という生徒に対して、学習内容は固定で大量に作りこまれていて、「面白くして」とか「個別に対応して」という面では対応できない…。教員の方々の感謝されることも少ない減点型の評価という境遇ではそうせざる得ない部分はあるように思えました。そして考えることOUTPUT型の学びが行える教員を育てることと、そもそも学ぶことへのモチベーションを生徒に思い出してもらうために信頼関係を築くことなど生徒へのアプローチをしているという話でした。

 

 3人目はスタディサプリというアプリを企画し提供している株式会社リクルートホールディングス 執行役員 教育事業担当 山口文洋さん。ご自身の学生時代のことも影響しながら、「世界の果てまで、最高の学びを届けよう」をコンセプトに、教育環境格差の解消を目指して行っていることの話を話してくださいました。松田さんも山口さんも「誰もが学ぶことができる」という部分にアプローチされていますが、山口さんはさらに学校の中のことでICTで担える部分があるということで、それが教員の費やしている時間を減らせるという話でもあると感じました。海外にも展開していて、いつか時差のない国とオンラインでつないで子供たちが会議したりするということもやりたいとおっしゃっていてそれは面白いし実現しそうだと思いました。後、ビジネスとして高校というのは校長に決裁権限があるので、展開しやすいが、小中学校は自治体による決裁が必要なので、しかる手順とエビデンスが必要でスピード感が落ちる話は納得でした。

 

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最後はお三方によるパネルディスカッション。松田さんと米倉先生の関係性からかなりぶっちゃけた話になっていて面白かったですが、米倉先生が松田さんと山口さんのアプローチに対して評価していたこととして、教育制度や社会の仕組みが…ということで何も起こさないというよりも、まずは「ここ」と決めて行動を起こし、それをサステナブルという意味でビジネスモデルを造ってビジネスとして行っているところが「志(こころざし)」を感じるとおっしゃていて、そういう形で社会課題というものに立ち向かっている人たちの行動力とアプローチがこれから求めれらると実感できました。

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 もちろんDODAさんのイベントなので、最後に松田さんと山口さんの所属に対する興味がある人は…というアナウンスが行われたのですが、米倉先生がそれに対してそれもビジネスという視点で(こういうイベントがビジネス背景有でおこなわれることも)大事だという感じで軽口をたたかれていたのが最後の印象でした。(笑)

学歴から学力、就職してからの学校の利用、ICTで全部を変えるのではなくて担える部分を変えていくというアプローチに興味をもってその場を後にしました。

エンジニアの学びについての話

牛尾さんがアメリカで出会った人と日本人の学びについての違いについてブログを書かれたのを読んで、いろいろ自分についても整理してみたくなり書きました。

simplearchitect.hatenablog.com

アメリカの人は概念の説明の段階でも質問しまくるし、日本人の人は、概念ではなく具体的なものや事例を求めようとするのだ
(本文より)

「教え方」から「学び方」にシフト

私の講師スタイルが「教え方」から「学び方」に変わったのは、この「違い」というか、「理解の仕方の差」を調整したいからだと思いました。概念で捉えられるようになるには、何かの構造(仕組み)を理解できた経験も必要であるし、その理解するプロセス暗黙知のままだて、「感覚」で処理してしまいます。もちろん、掴んだ感覚は他のモノを理解する時も同じように「振る舞う」ことでその人は理解できますが、「振る舞い」を他の人が真似しても、同じような理解にたどり着く保証はないです。なぜなら、他の人もまた自分の「理解の仕方」をもっているからと推測します。また別の視点からだと「理解すること」と「同じようにできること」は別だと考えます。そこで体感を理解につなげる「ふりかえり」と「理解にかえる」ための「ふりかえり」について知っている必要があります


教える側もどんどん進化していっている

夜ちょうどエンジニアの学び方について議論をしたのですが、ある方はそこは反復による訓練というような話をされていました。おそらくは繰り返されることによって、パターンというか「勘どころ」として身に付いていくのではないかと。その意味でエンジニアがよく「パターン・ランゲージ」という形式で学ぶのも分かる気がしました。そしてそれは「応用力」として使えるものになっているのではないかと。

先日登壇した事例発表では、発表の前に事例紹介の聞き方を先に話して、発表の間あいだで持ち帰ってもらうためのファシリテートしました。

学び方は気づいていないだけとか、知らないだけなことが多いと思っているので、「理解してないね」の前を少し見てあげてみてはどうでしょうか?

【告知】対話の時間の場作りについて

「話し合う」事を大切にするということ自体は昔から言われていますが、その話し合いの仕方や会話の質などに注目され始めて、実際に多くの場所で話し合い方を工夫され始めたのは2000年以降な気がしています。

話し合う、対話をする、会話をする、おしゃべりをする、日本語にはいろんな表し方があって、そのどれもがそんなには大きな違いなく使われています。みなさんがしたい場はどんな場でしょう?

人と人とが言葉で(実際は言葉以外でもやり取りはされていますが)やり取りするのは、多くの人はいつもしていると考えているでしょうから、あまり「むずかしい」とは感じないと思います。そして実際にも「話をしてください」と言われてまったく話が始まらないケースは少ないでしょう。

当たり前にできることなので、場にいる人のそれぞれの感覚と言いますか、いわゆる暗黙知というものでなりたちます。暗黙知暗黙知のやりとりですから、よほど同じ環境で育たない限り、ズレが生じます。まったく違ったりする事ならズレも意識してお互いに調整できますが、お互いに飲み込んで話を続けるので時には気持ち悪さを生んだりもします。

そこで、話し合いの仕方を入れるのはありでしょう。まずは暗黙知をお互いに使わない、もしくは使えないカタチで言葉のやり取りをするので、ズレは少なくなります。しかし、話し合いの仕方が入るとたまに、その話し合いの仕方が正しく「仕方」になっているかが気になって、単なる言葉のやり取りが、中身よりも外身に気が向いてしまうことがあります。つまりは話し合う当人同士だけだと、しっかりと質のよいから話し合いができるだけの関係性と形式知が必要になるのではないかと考えるわけです。

はい。話し合いに対して第三者で、話し合いの質や仕方を考えて場を見る人の存在が いるとなんとなく良さそうな気がしませんか?

対話の時間を作るのには、簡単にできるからこそ、場をつくることが大切になります。場を見て「仕方」を築くことができる人がいることで、言葉のやり取りの仕方を実体験できます。そして、ここが大事ですが、質のよい言葉のやり取りを体験すると、その体験者は次の場所でも体現することができます。これもまた簡単だからできることだと思います。

今回、体感してもらう勉強会は、そんな「対話の時間」についてのみ体感する会になります。

そのためには最初にどんな対話の時間をなんのためにやりたいのかを少し各自で意識してもらうところから始めたいと思います。

なんとなく対話の時間を取り入れてみたいと思っている方や、会議などの会社の場で対話の時間になっていないと感じている方などいらしたら、ぜひ足を運んでいただけるとうれしいです。

申し込み:

http://kokucheese.com/event/index/381956/

アジェンダ

18:45~ 開場:

19:00~ ガオ流対話の場づくり講座

講師:高柳謙(ダイアログデザイン)

カンファレンスでの話し合いの場からTの勉強会英語学習勉強会、マンション理事会の場、企業内研修でも参加者の話し合う場を作ってきた経験を元に人と人とが話をするという「場」についてお話します。

【学べること】空間の使い方、場を見る視点

19:30~ 空間の作り方ワーク

参加者自身の開催したい場を考え、それに適した場づくりについて実際に場をつくりながら、自分の視点を身に付けていただきます。

【学べること】参加者と開催者の感覚の違い    

参加者:話し合いの場をつくりたい方/話し合う場の手伝いをしたい方/場の使い方に興味がある方

定員:10名※追加で会場協力の富士ゼロックス社員の方が参加あります。

参加費:2000円

日時:2016年3月25日(金)19:00~21:00(開場18:30)

場所:富士ゼロックス・R&Dスクエア・共創造ラボラトリー

   神奈川県横浜市西区みなとみらい6の1

https://www.fujixerox.co.jp/company/profile/location/map002.html

申し込み:

入館登録のため会社名(所属名)、氏名、フリガナをご提出ください

ファシリテーターを活用する時代になってきた

11月08日(日)にCode for Japan Summit 2015に行ってきました。

10日ほど前にに知人からFacebookで「Code for Japan Summit 2015の中の1つのセッションファシリテーターを必要としているんだけど…」とメッセージがありました。もちろんファシリテーションの依頼は断るわけもなく、期間も迫っていましたのと、知り合いからの依頼なので、詳しくは当日までに詰めようと思って引き受けました。そして、当日までにパネルディスカッションがあることと、 アンカンファレンスがあってそこでのファシリテーターをお願いしたいことまではわかり、後は当日調整という形で挑むことになりました。

事前に打ち合わせの時間がある場合はもちろんやって詰めますが、割と緊急の場合は当日に状況を確認してファシリテーションすることもあります。私のファシリテーションを知って依頼してくれる人は、おそらくは私のやり方を好んでくれる方だろうということで、未来思考からのバックキャストであることや、参加者の対話を重視した場になると考えていろいろグッズ的には準備して向かいました。

そして当日、オープニング(10時開始)から参加させてもらい、オープニング後からすぐ依頼内容の確認と状況を確認していきました。確認できた依頼内容は結構想定を超えた内容で、14時40分から90分のパネルディスカションと16時20分から90分のアンカンファレンスをつなげたデザインになっていて、パネルディスカッションのテーマをそのままにアイデアソンを提案するというセッションをまたいだデザインの内容でした。そしてゴールは具体的なアイデアになっていること。というのも、このCode for Japan Summitというのは、各地で活動している「Code for ××」というたくさんのチームが発表するためのイベントで、このイベントとはまた別にそれぞれの想いを元に活動を続けているので、ゴールとしてはこのイベントをスタートにさらにどうやって活動していくかの方向が定まることが大事なのでした。

ちなみにこの依頼をしてきたチームは「Code for Cat」と言って【猫とともに考え、猫とともにつくる】というコンセプトの元、猫に関わる社会問題ITの技術で解決していこうというチームで、パネルディスカッションのテーマは「殺処分猫ゼロを目指す」というものでした。私がファシリテートする場でも社会問題を扱うものはありますが、生き死にを扱うのは多くはなく、そのテーマの重さにびびりながらも、参加者は猫好きという共感ポイントがあるから大丈夫だろうと高をくくってました。またこのCode for Japan Summitではグラフィックレコーダーというセッションを「グラフィック」で表してくれる人がついてくれるので、セッション間の内容のつなぎはグラフィックレコードに任せてみたいと思っていました。

そんな中で考えた案は、パネルディスカッションの最初の時間で「私が猫を好きな理由は」という内容で気持ちを高めてもらって、パネル後にパネルで聞いた話からアンカンファレンスで話したいテーマを書いてもらい、それをインプットの元にして、アイデアソンをやってもらうという内容でした。アイデアソンの名前は知人がつけた「キャットソン」そしてそこに「ゆるく、楽しく、猫らしく」というキャッチコピーを足して、依頼してくれた知人に確認したところOKもらうことができました。その後の時間は、どうやってインストラクションするかとか、ゴールまでのプロセスをどう組み立てるか、どういう人がくるだろうかとか、パネルディスカッションの内容から参加者が自分自身の考えを考えられるようにするためにはどうしたらよいかなどと、パネルディスカッションが始まるまで時間、あれこれ想像する時間として過ごさせてもらいました。

いよいよパネルディスカッションというところで、しっかりこういう連続のイベントでは起こる開始時間のズレと調整が発生。実際には15分弱の押しになっていて、これはアンカンファレンスにも影響出るなと思いながらも、しっかりズレた開始時間までの時間を「前説」として使わせてもらいました。パネラーの人も含めて「私が猫を好きな理由は」を書いてもらって、それを元に近くの人と話をしてもらうというアイスブレイクを笑いを入れながらやらせてもらいました。そしてその後のパネルディスカッションで私は、社会問題というものに対峙したイベントで起きる「深さ」と「真剣さ」、そして「怖さ」を知ることになったのでした…。

猫の殺処分ゼロという話と、猫が路上死するということについての話、そしてその猫に関わる社会問題に関わる方々の強いメッセージ…。そこには猫が好きだから…という感覚だけで参加している人たちが頷くことが少ない、もしかしたら知らなければならない話ではありましたが、知りたくはなかった…という関わる方の「感覚」までもが赤裸々に語られました。もちろん、パネラーの方々も様々な視点からの語りがあり、猫グッズを発売する中に寄付額を含めて、猫問題への資金援助を行っている話や、世代で関わり方も違ってきている話などがありました。それでもパネルディスカッションで知れる内容としては深くて衝撃を受けるものばかりで個人的には「すごいな」と思い、ファシリテーターとしてはキャットソン時のパネラーを含めた参加者間の「差」をどうすればよいのか、またどうすれば「ゆるく、楽しく、猫らしく」なアイデアソンにできるのかを、どんどん描かれていくグラフィックレコードを眺めながら考えていました。またさらにパネルディスカッションにもあるあるな、もっと時間いっぱいまで話を聞きたくなるという状況が発生し、課題書きは話を聞きながら…ということになりました。実はキャットソンの大事なインプットである「課題」を出してもらうのに、しっかりと個人の頭の中で考えてもらい自分ごとにするというファシリテーションを考えていたのですが、課題を書き出すことよりももっと話を聞くということを選んだ時、そこで見事に私自身がいろいろと「手放す」ことができたのでした。

そして、手放したことでよい結果を得ることができました。実はその最後に譲った時間があったおかげで、パネラーの方の本当に言いたい部分まで到達できる時間となり、聞き手にもぐっと深いものを感じさせる結果になったのです。そしてその深いものを感じさせた状況で綴られた課題には、しっかりと受け取った証とも言える、真剣に書かれた課題が残されたのでした。

真剣に書いてくれたからこそ「差を感じた人」と「得るものがあった人」とに分かれる結果があり、「差」はあっても仕方がないという考えでもあったわけですが、ややもすると「拒絶」とも取れる「差」を前にして「どうする…どうする…」となりました。しかし、そんな状況で「あるもの」が役に立ったのです。

それはアイスブレイクのために書いてもらった「私が猫を好きな理由」。そうなんです。パネラーの人と参加者の間には課題に対する認識や応対に「差」があったのですが、両者ともに「猫に癒されたい」「猫を愛でたい」「猫でほっこりしたい」とか、「猫のその気ままさに惚れたり」と猫のことを考えていて、その想いは「猫と共に過ごせる社会」がないと成り立たないということに気づくことができました。つまりはフューチャーセッションのやり方で言う「共に見つめる未来のゴール」を参加者に伝えることができると気づいたのでした。

そこからは一気に思考のプロセスを組み直して、あとはアンカンファレンスでの参加者の状況(パネルディスカッションセッションにでていない人の割合など)で微調整をするぐらいで準備は整いました。

そして、見事に90分の予定のアンカンファレンスセッションもズレ込み、アンカンファレンスの最初はグループ分け、そして最後には共有時間があるということで、40分程度しかないことが開始してから判明しました。時間を短縮する…。そのために「一気にぐっと場に入り込んでもらい、アイデアの発散集約を一気にやる」必要がでるというベジータの次はフリーザが…ばりにどんどん難易度が上がっていって、このあたりになるともう変わりゆく状況が楽しくなってました(笑)

しかし、運良くというか、たぶんグラフィックレコーダーの方が調整してくれたのだと思いますが、アンカンファレンスでもパネルディスカッションで担当してくれたグラフィックレコーダーの方に担当していただけました。このおかげで可視化プロセス対話プロセスの担当を分けて担うことができたので、かなりやりやすくなりました。そしてその無茶ぶりに応えてくれるグラフィックレコーダーの質の高さに感謝感激でした。

さて、実際にキャットソンでやったことは、パネルディスカッションで得た真剣さと重さと話したい課題を説明するインストラクションで、目指したい未来として「猫と共に過ごせる社会」があることを説明というよりは思い込めて、語らせてもらい、ここにいる人たちの「差」を考えるのではなく「多様性」を活かした場にしたいことを伝えました。そしてパネラーの方には伝えていただいたメッセージを少し軽いものとして扱ってしまうことを謝りました。

そこからは参加者の方に自分なりの「猫と共に過ごせる社会」へのアイデアブレスト出してもらい(私が担当)、ブレストを付箋でやるなら...とグラフィックレコーダーの方から提案があって、KJ法によるブレストグルーピングを参加者を巻き込みながら即興で見える化していただき、可視化プロセスをお願いしている間に私は次のダイアログのやり方を参加人数とブレストグルーピング状況から決めて、一番発言数が多くなる方法を選択して同じグルーピングの内容に共感した人たちでグループに分けました。3人程度が理想でしたが、3人グループ3つの、5人グループ1つという感じになりましたが、グループでの席の配置、人との距離感、そして発言が偏りそうなところへの介入などを行って、発散と収束、そして自分ごとになるように意識を向けてもらいました。このあたりは意識がどう働いたかは、実はわからないのですが、楽しそうに話、まとめたアイデアをしっかりと伝えている感じからは、いいダイアログができたのかなと推測しました。

あ、後、グラフィックレコーダーの方がまとめる作業をされるだろうなとそのあたりの準備はしてみたりはしました。グラフィックレコーダーの方と途中なんども言葉を交わして場の微調整みたいなことをしながらの進行、すごく楽しかったです。ファシリテーション、場作りをしっかりと意識されているグラフィックレコーダーの方と場を進めるのはお互いの専門性を尊重した感じで、なんか変な言い方ですが、誇らしかったです。

というわけで、ファシリテーションをした時間はあっという間に終わって、アンカンファレンス全体の動きも意識しながらだったので、かなり集中してたみたいで、終わった後はぐったりと疲れました。w

ファシリテーターほしいなって思ってもらった知り合いが、「ちょっと来てよ」と誘ってくれたことでこんなにもいい時間を過ごさせてもらいました。感謝です。もっと、普通の人たちが「これはファシリテーターいるといいよね。ちょっと呼ぼうよ」という気軽に活用する時代がもうすぐ来るのかもしれないなと少しワクワクした1日でした。

英語学習の場「BIZ TALK Cafe」に行ってきました。

今夜は知人から紹介された英語の学習の場「BIZ TALK Cafe」に参加しました。

 

そこの場のコミュニティメンバーが4人と、新規参加者が私を含めて2人。そして講師の先生が1人。

時間は19時から21時までの2時間で、最初に自己紹介でアイスブレイクな感じですが、英語学習の場では新規参加者の英語レベルをこれである程度の見ているんだなぁとやっと気付きました。

今回はニュースをトピックにしたテキストを元にした場で、講師の方は基本、英語で授業を進めました。私はぎりぎり聞き流しで聞き取れるなぁと思いましたが、日本の時事ネタなトピックだとある程度補完できてるから分かった感じしてるなと。理由は相変わらず講師から直接質問を受けた時に英語の質問が正確に分かってないから、答えられない...。質問の意図を確認してもなかなか...。ただ、講師の人が質問を繰り返し繰り返し他の人に聞いていくので、回答から、質問の意図を知ることがてがきて、自分なりの答えはメモってみたりはできました。グループ学習の良さのひとつかもしれませんね。たぶん、講師の新規参加者の扱いと、分からなそうな人への「深追いはしない」というモチベーションに対する配慮はできているなぁと。

後は基本英語な場なので、英単語を英語で説明してもらえるのは言い回しとして覚える意味でもよいなと。

最近、新しく見る英単語を直訳日本語で覚えようとしても、変な話、直訳を信じられなくて覚えられないということにぶち当たってます。( ̄▽ ̄;)

また、新規参加者の発言が増えるようにも講師の方は心がけていたし、コミュニティメンバーへも、新しい人たちだから特別に!とちゃんと伝えてました。

この辺りは、既存メンバーと新規参加者がいるグループ学習という側面から、気になっていましたが、前回からの続きでスタートしなければ、ある程度は可能なのだとは思いました。ある程度とは...というのは、新規参加者に配慮する分、積み重ねの学習要素とレベル感を必ずしも上げていける訳ではないので、停滞や低下をせざるえないのではないかなと。MPPでは、ある意味、学習法と知り合うための場になりつつあるので、毎回違う学習法だったりするので、その辺りはあまり問題になりませんが、英語学習のコミュニティだとそのあたりがあるので、回数を固定してclosedな場にするのでしょうね。

そういう意味では、MPPを英語学習のプラットフォームとして、学習者と講師、企業が触れあう場になるのは良い流れかなと。

こちらは毎週月曜日の夜にクチコミでの参加者募集でやられているので、興味を持った方はご紹介します。場所は上野駅近辺です。

それから、懇親会もなく、定期開催ということもあるせいか、「気楽に参加できるな」という感じはしました。

新しい場に参加するといろいろ学びになりますね!

CEDEC 2015でパネルディスカッションのファシリテーターをしてきました

2015年08月26日、「CEDEC 2015」のパネルディスカッション「最高のゲームを目指すチームを支える原動力とは?」にファシリテーターとして登壇してきました。

このパネルディスカッションは、参加者の意思表示ができる形でセッションデザインしました。

パネラーの方に話してもらうテーマを出して、そのテーマを問いとした話の方向性を2択、用意する。

参加者は聴きたい方向を選択し、多数決で多い方向からパネラーには話をスタートしてもらいました。

これは実は「参加者が聴きたい話を選択させる」という要素をメインにしているわけではなく、参加者が話を聴く前に「テーマを自分事として考える」ことが起こることを意図しています。※参加者には「聴きたい話を選べます」と説明しましたが。( ̄▽ ̄;)

特にパネルディスカッションは話の方向性が一本道になりにくい性質があると捉えていました。つまりは参加者が意図する思考道順にならない可能性が高いなと。

その時にただ聴くだけになると、言い方は悪いですが、「振り回されてしまう」可能性があります。もちろん、それに対してホワイトボードに可視化したり、それ様の資料を表示できれば大丈夫かもしれませんが、今回は参加者の傾向(例:エンジニアなのかマネージャーなのか等)によって話す内容も調整していきたいとおっしゃってくださるパネラーの方々でしたので、資料は用意しませんでした。

そこで、一瞬だとしても、または選択した内容が多数決的に少数派で話にありつけないかもしれないとしても、参加者が自分の思いを物差しにしてパネラーの話に耳を傾けることができ、パネラーの話から自分事を持ち帰りやすくなるのではないかと考えました。推測なので間違っているかもしれませんが。(笑)

講演を聴くときも同じなのですが、自分事にすることは大切で、私の場合それは聴き終ってから整理し直すよりも、聴く前に意識していると聴き方が変わったという体験からきています。

ファシリテーターの場の作り方は、現象と見える行動と、その裏側に無意識に働いている要素も想像することも大事かもしれないと、今回のパネルディスカッションをファシリテートさせてもらって考えることができました。

この機会を与えてくれた田口さんと今給黎さんに感謝。そしてこんな変わったやり方のパネルディスカッションにお付き合いいただいたパネラーの田中さん、小林さん、山崎さん、そしてある意味4人目のパネラーだった参加者の方にも感謝します。

ありがとうございました!