【書評】「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)


全7章と7つのコラムで構成された実際に社内教育を担当する方の著書。


導入の1章は企業ビジョンありきの育成論で開始。最近私自身が考えているビジョンが企業からのトップダウンで示されない、もしくは示しても現実にそくしていない企業はどうすればよいか。という想いがあるので、導入部でつまずきそうになりました。(;^_^A


2章はある程度の規模の企業における育成対象者の話。この本が企業の人事部向けに書かれているなぁと思いながら、選ばれる側の気持ちで読み進めました。


3章から、内容もぐっと「育成」にフォーカスされますが、4章は内容は理解できますが、本の流れとしてはなんとなく著者の思いは感じられない、ちょっと疲れたのかな?とか失礼なことを思いました。書かれていることはまてまっていてわかりやすかったです。
5章から最終章の7章は著者の自社での考え方、取り組み方がしっかりと明確に語られていて読みやすく、受けさせる側(人事部)だけでなく、受ける側にも必要な要素が多かったと思いました。


社内の教育の場を「学校」のように場所にしようとしているところは、育成から拡がる社内風土にも感じられ「場」についての認識、「安心感」などの社員に向けた私の好きなキーワードがいっぱいでした。また、「対話(ダイアログ)」を育成の必要な要素に入れているところは面白く、共感できました。もちろんその部分の効果測定が難しいことも挙げられていますが、6章で示された評価方法、そして7章に開示してくれた育成プログラムの一部はすごく参考になりました。


育成プログラムの中の「富士山麓での幹部合宿研修」については、今私が参加している「ITリーダー現場塾」の要素にかぶるところがあり、妙に納得いったことを最後に記載しておきます。


育成に興味のある方に読んでほしいとは思いつつ、自分の環境とのギャップの埋め方は書いてないので、そう考えると、ビジョン作りを始めた企業の社長さんか、人事部の方におススメです。
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