IT人材開発フォーラム第6回「ハイプレッシャー下での交渉術」

知り合いのおだみんさんこと小田美奈子さんに教えて頂いて26日(金)の夜、参加してきました。
株式会社OICOSの石井さんが座長を務めるフォーラム。「IT人材開発フォーラム」の第6回で年間を通しての最終回というひとつの区切りを迎える回でしたが、今まで参加してきたIT系のセミナーと少し視点が違っていて、新鮮でした。

ハイプレッシャー下での交渉術ということで、講演部分とロールプレイでのワークもある実践的な内容でした。

■サイトから抜粋■
ハイプレッシャーな状況とは相手が感情を爆発させ、有形無形の圧力をかけて来たり、威嚇によって自分の思い通りに交渉を進めようとしたり、こちら側のミス、発言、良心の呵責(かしゃく) などを突き、立場を優位にしようとする状況のことを言います。

実際に私の仕事でもシステムの開発フェーズや保守フェーズでハイプレッシャーに近い状況は発生しうるということと、ハイプレッシャーというところまではいかないまでも、ユーザとの関係性をどう構築するかという点で、交渉術は具体的なスキルとしてもそうですが、エッセンスとしても必要なのだと認識できました。

つまり「交渉術」という話ではありましたが、そこにはスキルで「乗り切る」というだけの範囲ではなく、心得的なもの、個人的な解釈では継続する関係性の中で発生した感情による一時的な良くない状況をどう捕え、どう相対するかという点が大事だと感じました。

短納期や技術の進化の速さに心的なプレッシャーを受ける中、そのプロジェクトでのちょっとしたほころびやそのほころびの蓄積から発生するユーザの感情的でリスキーな状況。それに対するベンダー側の防衛的な対応によって、さらに担当者にストレスがたまっていく。この部分はIT技術研修でも新人研修でもPM研修でもあまり教えられていない。僕自身も教わっていないし、社内で教えたこともありませんでした。経験によって習得されるものとしては、個人の資質に任される部分が多く、耐えきれずに会社に来なくなったりすることもあるのだと考えさせられました。

ロールプレイでは、感情的になってしまっているユーザ役と、それを受けるPM役。そしてそのロールプレイを観るオブザーバーという3人一組で行いました。私はユーザ役で、2分半、怒りをぶつけるということをしました。そもそも「怒る」ということ自体苦手だったので、1分くらいで怒りの感情を持続させるのが難しくなりましたが、それはそれでよく言われる「怒るのにはすごいエネルギーがいる」というのが実感できました。では、なぜずっと怒りの感情をぶつけられるということが発生するのか・・・。それはエンジニアの理論的で賢い思考がよくない方向に働くからというのも教わりました。

現実、今の僕のやり方がまさにユーザとの関係をよくない方向に導くものだったということがよく分かりました。本当にユーザのために考えるのはむずかしい課題ではありますが、お互いの関係性を良い状態に保ってプロジェクトチームとして協働するためのヒントがここにあった気がします。

少し取りとめのない記述になってしまいましたが、すごく有意義な時間でした。

また、懇親会ではSEから研修業務に移られた方々の話を聞くことができ、自分の人材育成への想いなど語ることができて、楽しい時間を過ごすことができました。

フォーラム自体の次回の予定はまだ未定のようでしたが、次回も参加したいと思いました。

セミナー内でのロールプレイについて
個人的に苦手ということもありますが、2時間のセミナーの中でロールプレイを行うというのはむずかしいとおもっていました。初対面の人でのロールプレイは難しく(社内の人同士も難しいんですけどね)、場合によってはすごく形式的なものになってしまう危険性もあると感じていましたが、石井さんのファシリテートもうまく、またセミナーとしての構成もしっかりされていて、いきなりのロールプレイにも各テーブルで迫真のプレイが行われていました。そして、ロールプレイ後のテーブルの人たちの状況が和やかになっていたことがすごく印象的でした。最近、「場における人間関係の再構築」ということに興味がいっていたので参考になりました。アイスブレイクに使うには難易度と題材がむずかしそうですが、実践的というだけではないロールプレイのワークの「効果」に興味がわきました。

紹介してくれたおだみんさんに感謝。