AgileJapan2012東京サテライトでダイアログファシリテーターしました

2012年03月16日(金)に東京の箱崎で行われたAgileJapan2012、東京サテライト会場にてダイアログのセッションをファシリテートさせていただきました。

昨年はふりかえりセッション*1でしたので一日の最後の時間に深まりのある時間を目指しましたが、今年はダイアログを自分からの提案で一日のカンファレンスのど真ん中に入れさせていただきました。*2

場をデザインする時に考えたこと。

  • 目的の語りなおし:自分を語り直すことで、学びの目的を明確にして、意識を午後のセッションに臨む「ready」な状態にする場。
  • 他者による承認:単なる「話す」「聴く」だけの場でなく、その場で出た言葉を承認される場。
  • つながり:いいイベントの後は誰かに話したくなる。そんな気持ちを受け止める終わった後(懇親会)で再会できる関係性作りをする場。

当日使ったスライドは:http://www.slideshare.net/gaoryu/aj12-12029929

まずは午前中の基調講演を振り返ってもらうために、会場に入った人から基調講演で得た自分のキーワードを名刺サイズのカードに書いてもらいました。お昼休み明けのセッションでしたので、午前のセッション終了後から会場で昼ごはんを食べている人や、さっと食べて帰ってきた人たちなど、予想よりも早い時間から会場には人がいました。開始時間お30分前くらいから事前作業の説明として参加者に語りかけ、音楽を流して場の雰囲気を少しずつ作っていきました。

ファシリテーションポイント】
ウェルカムファシリテーションについては以前のブログでも書きましたが、私は大事なことだと思ってます。イベントで定めた開始時間からだけがイベントの時間ではなくて、来た瞬間から(ほんとは参加すると意思表示をした瞬間から)場に居るのですから、関わっていいと思ってます。たいていの場合、開始直前まで調整することなんかがあって、そんな余裕ないは場合が多いでしょうが、大事にできると始まり方の雰囲気も変わってくると思いますので、やってみていただけるとうれしいです。


予定の開始時間からはスライドを利用して、このダイアログセッションの目的を説明しました。ダイアログ後のセッションのための時間であること、参加者自身の時間であること、今日からつながる明日のための時間であることを伝えました。ダイアログの時間で大切なのはどのようなことを意識して語り合うかというのが持論なので、ここは大切にやりべきでしたが、全体が45分のセッションでしたので、時間がない。。と焦って導入部を早口で進めたため、結果、配られたカードの意味合いがよくわからなかったというつぶやきを目にすることになりました。(^^;

個人で書いた後は、グルーピング。 午後の出たいセッションを色カードに見立てて選んで取ってもらっていたので、午後セッションとふりかえりキーワードを周りの人にみせながら3人組を作ってもらいました。同じ色(セッション)を選んだ人と組んで一体感を選ぶか、別の色の人と組んで、多様性を楽しむか。そんな工夫でしたが、場所がスクール形式な机と椅子の配置な上に、大きな荷物と上着があったので、かなりこのグルーピングは動き的に混乱させてしまいました。荷物は持たずにぶらぶらしてもらえば良かったかなとは後で思いました。

ファシリテーションポイント】
偶然隣りに座った人とのグルーピングもある意味では無意識の選択なのですが、今回のような知識取得のイベントの場合、参画度合いと知識にばらつきが発生しやすいので、短い時間のダイアログタイプの場合には意識的な選択を先にすませることで、話しやすさが増します。


3人組になってからの最初の1ラウンド目は選んだセッションについて語ってもらいました。その際、話し手と聴き手に分けて、聴き手は話し手の話しをカードに書き取ってあげるという形式にしました。いきなり自由なダイアログよりも、話し手が語り、それに対する聴き手が内容の確認や、問いかけをしてもらうことによって、徐々にその3人での言葉を交わす感覚を作り上げていく。そんなことを考えたデザインでした。2ラウンド目は、グループになったメンバーとどんな再会をしたいですか?という再会のイメージを「私たち」を主語にダイアログをしてもらいました。再会のイメージは各自、基調講演の自分キーワードを書いた白いカードの裏に書いてもらい、それをグループでシェアしてもらい、お互いのセッションを選んだ理由を書き取った色カードを渡しあい、再会を誓う。そんな終わり方をしてみました。

ファシリテーションポイント】
スライドを観ていただくと分かるのてすが、実はグルーピングにテンパって、1ラウンド目のファシリテートで用意していた、『主語を「私」で語ってください』という意識付けの説明とフラットな関係構築のために考えた自己紹介の提案を飛ばしてダイアログを開始してしまいました。どうするか少し迷いましたが、2ラウンド目の説明部分で、話し手・聴き手の世界からダイアログの世界に移る際の良い比較として説明することにしました。


今回の午後のセッションのつなぎとしてダイアログを入れ込んだ挑戦は、『することを分かりやすく伝える』点で反省点を残しながらも、『その場に来た意味を自分事として考え、各セッションへつなげる』という想い描いた内容はやり遂げることはできました。その先で参加者ひとりひとりに何が起きたのかは、アンケートや、知り合いの参加者だった方々と再会した時に聴いていこうと思います。

3人1組を基本としたために、遅れて参加してきた人への対応が取りずらいセッションの中で、スタッフの方々の機転で4人組にしていただいたりと助けられました。感謝です。もちろん参加者の方の自発的な行動にも感謝ですね。空間的なオペレーションいついては参加者に頼ったファシリテーションだったと思います。

最後に、懇親会でダイアログセッションの3人で再会できたチームによるプレゼント争奪じゃんけん大会ができたのは、うれしかったです。今までの「イベントの中での関係性の構築」から、イベントが終わった後へ継続される部分のデザインもできるようになってきたという感じです。単純に言えば「かかわりあっていける関係性の構築」。これがこれからの私のキーワードになりそうです。

最後に、今回のAgileJapan2012東京サテライトにダイアログセッションを入れてくださった実行委員会の方に感謝します。今後もカンファレンスなどでダイアログファシリテーターがほしいなぁという場合、参加者での時間をどうしたらいいか相談したい場合、お声をかけていただければと思います。

*1:http://d.hatena.ne.jp/DiscoveryCoach/20110417

*2:http://d.hatena.ne.jp/DiscoveryCoach/20120215