言葉の持つ方向を意識して伝えること

昨日の本*1のレビューを書きながら考えたことを書きます。

『今がだめだから、変えるんじゃなくて、過去を含めた今を知っているから、次が試せる。』

同じことを言ってますよね。と思われた方もいるかもしれませんね。実はその通りです。とある方が、日本語はひとつのことを言い表すのに、表と裏(良いと悪いとも言えますが、どっちがどっちかは人によります)の意味あいで言葉が用意されていて、使い分けることができます。的な話をされていて、過去から続いている今をどう捉えるかで、伝え方が変わるなぁと思ったので走り書きしてみました。

ネガティブに言う必要があるのか?というと、その話題、関わる人が過去を見たくないというのなら、または今から未来に向けて「覚悟」をするタイミングならば、変に気楽にポジティブにするよりも良いかもしれません。

(あ、気づくとなんかファシリテーションのポイント的に書いてるな…。)

最近だと組織パタンなどで「妨げているもの」に向き合うことなんかがありますが、そこはネガティブさを扱うことになります。もちろん、妨げている現象に向き合うだけなので、原因に向き合うというより自分ごととしてコントロールできるところの話にするための話なんですけどね。

『期待しない』『諦める』この言葉は、発した本人以外の人たちにはネガティブに聞こえたり、聞いた人をネガティブにすることがありますが、これも表裏があり、依存から自立しようとする言葉でもあります。しかもある程度の「覚悟」を含む。まんまネガティブな場合や拒絶だったりもしますけど。(笑)

ファシリテーションを気にするなら、もしくはグループでのワークをするのなら、使う言葉の方向と、参加者のフィードバックを意識にいれることと、そして言葉の表裏があることは考えておくとよいかもしれませんね。

さらに会議や対話での場で、話している内容に介入するやり方を考えている方は(私はこういうのをダイアログ・ファシリテーターと位置付けますが)、話し手の言葉を表裏で解釈して、聴き手に届けることができるといいかもです。最近は私がこれをやると「翻訳してもらった」と言われたりします。(笑)

*1:「他人の思考の9割は変えられる」