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「教育イノベーション」を推進するリーダーが集結!事例から見る教育の未来とは?に参加してきました。

先日、DODA主催のイベントに参加してきました。
恥ずかしながら参加して初めて一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉誠一郎先生(以下、米倉先生)を知ったのですが、講演の内容よりもまず米倉先生のファシリテーション能力というか、場づくりの仕方がすごいと感じました。簡単に言うとイベント内での「質問することは貢献である」という文化を先生のキャラも活かしながら短時間で作り上げてしまったのです。テーマの本質とズレると思われるでしょうが、そもそも「多数の人がいる場で質問することができない」ということ自体が「1つの正解を答えること」から「間違うと恥ずかしい」を教え込んできた日本の教育の影響であるということも伝えていらっしゃいました。

doda.jp

基調講演:なぜ日本に「教育イノベーション」が必要なのか?

 米倉先生の講演で私の中に印象強く残ったのは、2つ。1つはINPUT型からOUTPUT型の教育にシフトする必要があるという話。2つ目は教育全体に関わるような課題の話。

 

INPUT型からOUTPUT型の教育へ

 OUTPUT型の教育という話は、ただOUTPUTすればいいという話ではなく、そもそもOUTPUTするにはただINPUTするよりも3倍のINPUTをしないとOUTPUTできないということでした。そもそも今の教育の中では「発言」や「質問」に対するマインドセットが正解を答えるためのものなので、発言や質問が他の人の貢献になるというマインドセットに変わらないといけないという。さらに質問しようと思えば人の話も真剣に聞くでしょうと…。そしてOUTPUT型に変えるには教師の関わり方も変えなければならなくて、ディベートを促したりファシリテーションする部分が出てくるという話が私にとってはぐっとくる話でした。

 

教育全体に関わるような課題

 教育イノベーションが必要な理由として話されたのですが、まず世界的に日本人はトップにはなれず「部下」にしかなれなくなってきているという状況を伝えた上で、その理由が教育に起因しているとのことでした。以前は見本(目指す答え)があって、それに如何に慣れて踏襲して実行するかが求めれていたということもあったが、答えがないものに対しては自分で情報を収集して仮説を立てて検証し、そして選択することが必要なのですが、それができるようになる教育になっていないという話。これは社会的な仕組みも影響してて、大学に入るのは良い企業に入るためで、高校はその良い大学に入るためのものになり、中学までの義務教育以降が学歴を手に入れるための教育になってしまっていて、本来は「考える力」を付ける場である場所が大学に至っては、社会人になる前の「レジャー時代」という意味付けになってしまったということでした。この話は私的にも耳が痛いというか、まさにそういう大学生活を送りました…。

 この社会的な仕組みも含めた部分では企業が学生を学歴で選ぶのをやめて学力で選ぶようになることが必要。そして、もっと大きな視点でいえば「やり直しがきく社会」になることが必要だとおっしゃっていました。学生の時点で仕事としてやりたいことというのはそう簡単に見つかるものでなくて、自分が成長する為に社会に出て企業に入り、そこで自分が成したいことを見つけながら成長し、見つかったら大学や大学院に進んで学び、得たいものを得ていくと…。

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(私のメモ書き)

 

 2人目のTeach For Japanの松田悠介さんの話は「教員」についての話で、Teach For Japanではいろんな社会経験を積んだ人を教員となるために教育し、実際に学校に派遣をしているとのこと。社会的な背景としては貧困の差が学歴の差になってしまっていて、地域の過疎化という面でもすべてのところに「公平に」教育が提供できていないというところがあると認識しました。教員が行うべきことは一斉教育的につくられていて「理解できない」人を拾いながら進むことが難しい。「つまらない」「ついていけない」という生徒に対して、学習内容は固定で大量に作りこまれていて、「面白くして」とか「個別に対応して」という面では対応できない…。教員の方々の感謝されることも少ない減点型の評価という境遇ではそうせざる得ない部分はあるように思えました。そして考えることOUTPUT型の学びが行える教員を育てることと、そもそも学ぶことへのモチベーションを生徒に思い出してもらうために信頼関係を築くことなど生徒へのアプローチをしているという話でした。

 

 3人目はスタディサプリというアプリを企画し提供している株式会社リクルートホールディングス 執行役員 教育事業担当 山口文洋さん。ご自身の学生時代のことも影響しながら、「世界の果てまで、最高の学びを届けよう」をコンセプトに、教育環境格差の解消を目指して行っていることの話を話してくださいました。松田さんも山口さんも「誰もが学ぶことができる」という部分にアプローチされていますが、山口さんはさらに学校の中のことでICTで担える部分があるということで、それが教員の費やしている時間を減らせるという話でもあると感じました。海外にも展開していて、いつか時差のない国とオンラインでつないで子供たちが会議したりするということもやりたいとおっしゃっていてそれは面白いし実現しそうだと思いました。後、ビジネスとして高校というのは校長に決裁権限があるので、展開しやすいが、小中学校は自治体による決裁が必要なので、しかる手順とエビデンスが必要でスピード感が落ちる話は納得でした。

 

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最後はお三方によるパネルディスカッション。松田さんと米倉先生の関係性からかなりぶっちゃけた話になっていて面白かったですが、米倉先生が松田さんと山口さんのアプローチに対して評価していたこととして、教育制度や社会の仕組みが…ということで何も起こさないというよりも、まずは「ここ」と決めて行動を起こし、それをサステナブルという意味でビジネスモデルを造ってビジネスとして行っているところが「志(こころざし)」を感じるとおっしゃていて、そういう形で社会課題というものに立ち向かっている人たちの行動力とアプローチがこれから求めれらると実感できました。

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 もちろんDODAさんのイベントなので、最後に松田さんと山口さんの所属に対する興味がある人は…というアナウンスが行われたのですが、米倉先生がそれに対してそれもビジネスという視点で(こういうイベントがビジネス背景有でおこなわれることも)大事だという感じで軽口をたたかれていたのが最後の印象でした。(笑)

学歴から学力、就職してからの学校の利用、ICTで全部を変えるのではなくて担える部分を変えていくというアプローチに興味をもってその場を後にしました。