育成に携わって7年になります。

2012年からエンジニア育成の研修内製化を担当していますが、毎年違うものを作り上げていて、なかなか面白いです。

今年は研修だけでなく講師の育成とデビューも支援しました。別件では大人数で研修でサブ講師もやらせてもらいました。そして直近ではエンジニアもデザインを学ぼうという方向が出ているお客さんと、内部向けのデザイン研修を作ってます。

もちろんファシリテーターの要請もあって、それも企業内で実施させてもらえると、しっかりチームの文化に根ざしたファシリテーションを受講者と共に研修の中で作っていけるので、良い感じです。ファシリテーターの個人向けの方は基礎講座、グラフィクレコード(描き方の考え方)、ファシリテーショングラフィック(描きをファシリテーションに使う方法、考え方)の3つで構成して、さらに個人的に場を作っていきたい人はファシリテーターの弟子という制度で定期的なメンターをやらせてもらっています。

エンジニアの育成は「回答を教えない」というスタンスでのグループ研修を基本としています。新人達が自分たちで学ぶ方法を決めるというやり方をとっているお客さんもいます。特に好評なのが「初めてのお使い」的に、お金を渡して自分にあった技術書を買ってくるというもの。言語については私が取得していない言語もやらせてもらっていて、エンジニアの研修も社内、チーム内のメンターと協力してコンテンツを作るので、その辺りは問題なく、フォローは現場の先輩というのが「開発文化」も伝えることができるので、一石二鳥。というより、もっと多くのことが同時にできている気がします。

内製は期間があれば、社員の方とプロジェクトとしてコンテンツ作成をして、1人の社員に対して週に1時間だけ(検討会議として集まった時にのみ、研修について考えてもらう)リソースをさいてもらうようにしています。全員を集めるのではなくて、研修カテゴリー別に集まってもらって、1人-5人程度の集まりで、それぞれの検討をしてもらいます。時にはコワーキングスペースのように、別カテゴリーの人たちと一緒の場で作業してもらうような設定もします。お互いにどんなことをやろうとしているかを、「聞き漏れる」程度に共有するのがよくて、聞いていて興味が出たり、そこは連動しないと…という場合はそこで調整します。内製化はエンジニアの「文化」を見える化し、チーム内のエンジニアにとっても見える化となるので、共通意識ができやすいです。そしてコンテンツを一緒に検討してもらうことで、関わったエンジニアさんの勉強にもなっているというのがおもしろくて、昔「技術力の底上げ」というテーマや「共創できる人の育成」というテーマをもらって、個別にやっていた時よりも、自分たちに関わる新人は自分たちで育てたいとか、他の分野の日立と一緒に研修をつくることで、技術の底上げも、共創の感覚も学べているのではないかと思います。

また研修の中でのダイアログの問いはなるべく、現場に近い内容を扱うようにして、いつもは言えてないことを「研修だから」言えるようにしてみたり。

つづく

組織開発は学ぶ場から始まる。ゼロから初めて完全に講師まで内製化するには3年かかるという感じが今のところの感覚ですが、内製化を通じて、文化、組織の仕組み、内製化プロジェクトに関わってくれた方のソフトスキル、エンジニアリングスキルの向上が見込めます。