Design Sprint Night! に参加してきました。

3月5日の木曜夜にDesign Sprint Night! 〜 先駆者たちから聞くDesign Sprint の実際 - connpassに参加してきました。このイベントのまとめ記事はきっと他の方が書いてくださるだろうということで、散文的に自分にピンときたことや思考したことを書き残しておこうと思います。


そもそもデザインスプリント自体はFacebookのタイムラインに「デザインを生み出すスピードが短くなってきている」という感じのつぶやきと共に「5日間」という日程の情報で流れてきたのを読んだのが、目にしたきっかけです。そこからファシリテーターとしては、そのプロセスが気になって、関連の記事やデザインスプリントを紹介したスライドなんかも読みながら、興味を深めていきました。そんな時に、このイベントの告知を目にして、速攻で申し込みをww

当日は、5人の実践者の方のお話を短めのプレゼンとトークの形式で聴きました。1つのワークもやってみる時間があって、それが更に興味を持たせてくれました。

さて、私が感じた事ですが、まず講演されたみなさんのデザインスプリントの良いとする点がほぼ同じというとこが実は興味深かったです。今、考えるともしかしたらファシリテートやアドバイスをされた方が同じ人だったりした影響かもしれないとも思いますが、誰がやっても同じポイントに行き着くのは、もしかしたらプロセスが秀逸なのかもとも思いました。つまりは、ワークショップとしてゴールが「○○を体感として持ち帰る」とした場合に、参加者のほとんどが同じ感想を持ち帰ることができる。つまりはそのプロセス、ツールの本質を正しく伝えられるものなのかも知れないということです。

それから、実際に導入されている方が良いとするポイント(もしくはこのポイントを押さえないと威力半減なポイント)に「意思決定者を巻き込む」というのがあったのですが、これは主に話し合いで決定した事項に対して、参加しなかった意思決定者によってちゃぶ台返しをくらうからなどの課題があるということです。それに対してデザインスプリントの立て付けで改善するというのは、ワークの良い活用方法だなと思いました。決定の仕方がおかしいので、決定の場にあなたも来てください。よりも、クリエイティブで新しいデザインを生み出すやり方があるんですが、一緒にやってくれませんか?で体感させることができるなら、それはきっとお互いに良いことだと思いました。実は、デザインスプリントのプロセスにはその課題についての改善策が仕組みとして他にも入っているというのが私にとってのすごいなと思えるポイントなのです。

普段、私はダイアログ・ファシリテーターとして「対話」を大事に場を造っています。もちろん「対話」と言っても、話すことだけではなくて、沈黙も共有の為に描くなども含まれますが、デザインスプリントでは合意形成における「納得感」を大事にしていると思われ、アイデア出し後の収束・選択をする時に単にプレゼンや話しがうまい人の意見が採用されないような仕組みを備えています。投票というシステムですが、意思決定者には他のメンバーよりも投票回数が多くできるようにしていて、意思決定者のアドバンテージも確立できています。このことは私にはちょっとしたインパクトでした。対話における場でもフラットさを意識したりするのですが、意思決定者は意思決定者としての立場で話しをするのも「仕事場」ではフラットと言えるのかなと(ちょっと無理矢理な説ですが…w)。もちろん、意思決定者が他の人の意見を否定したりするのは意味がないと思っていて、デザインスプリントでは「良い」と思ったものに投票するだけなので、ダメだな…と思ったものへの否定はなく、その上「Yes and」という人の考えに「プラスして」とか「それに乗っかって言うと」というような相乗りがファシリテートのメソッドとして伝えられているのも、よいなぁと思いました。ワークの部分ではファシリテーションが活きそうです。

仕組みという面で最後に書いておきたいのは、プロトタイピングとユーザーテストがそのプロセエスに含まれていること自体が強みなのだということと、期間を明確に区切り、初日にその最後に必要なユーザーを決めてアサインされることで〆切駆動にもなるということです。日本人に合っているという書くといろいろ言われそうですが、根がまじめな人たちが多いのであれば、制限や仕組みは有効に働くと思います。それらに合わないという人もいるでしょうけど、対話の場では「時間」とのトレードオフが成り立っている場であれば、時として発言しない=黙っている=反対ではない。と捉えてしまわなければという部分が、短期間で素早く回すこのプロセスの中では強引にやらなくてよいというのがぴったりだなと思いました。

 

最後に問題というか、スライドやこの日の講演でつかみきれなかったことは2つ。
1つは「理解」というフェーズでのメソッドというか在り方が肝だなと思いつつ、デザインスプリントをする上でのクリアする「理解」が私の中で明確にはできませんでした。ここは説明がほとんどなかったので、単純に理解に足りる情報が足りなかっただけなのかもしれませんが…。もう1つはテーマ設定のさじ加減が難しそうというところです。粒度や範囲、そういったことも何回か回すことで、精査されていくことだと思いますが、テーマ設定をファシリテーターに任された場合、ちょっと違うかもと感じていて、参加者と共に最初に考える部分なのかも知れません。デザインスプリントをやる時のプレ打ち合わせが必要なのだと思いました。


今の時点の私の受け取り方としては、デザインスプリントは「仮説と検証」を導入するひとつの方法なのではないかというところです。クリエイティブなブレストと比べるのはちょっと違う。言ってみるとブレストと比較できるのはデザインスプリントの一部部分でしかないのかなと…。


短時間でやるものがこれからいろいろ出てきそうだと思いますが、セッションのゴール設定、その集まり、組織、企業のゴールを意識しながら準備を整えると、もしくは明示した上で情報が共有されはじめるとよりよいものになっていきそうだなと思いました。


一気に書き上げたので、いろいろ理論破綻もあるかと思いますが、少し寝かせて見直ししてみます(笑)。