New work city 〜Coworkingに触れて〜

 「会社のために」から「会社と共に」へ

この言葉が自分の「囚われ」を壊してくれました。 


これは、8月3日の夜に参加した『New Yorkのコワーキング・スペース「New Work City」創業者と語る新しい働き方の可能性』で、KeynoteだったNew Work City MayorであるTony Bacigalupo氏*1から聴いた言葉。

毎月曜日朝9時からの朝礼で社長が必ず最後に言う「会社を良くするためにみんな頑張ってください。」という言葉。この言葉を聞くとモチベーションが下がり、あまりにも嫌になって月曜日の朝に他社での打ち合わせをアサインするほど「嫌だ」とは思っていたのですが、では「何が良いのか?」がわからずにいたので、「会社と共に」というフレーズはすごく腹落ち感がありました。

また『Coworking』というこの言葉は、シェアオフィスや働く場所をノマドワーカーの方などに提供する場ということだと認識してしまっていましたが、Tony氏はCoworking spaceにつどう仲間を Customer として捉える bussiness なmindsetからまず離れて下さい。Coworking のmindsetは、community builder なのだから。と言っていました。これは実はトーク中ではなく参加者からの質問に答える時にTony氏が、答える前にまず伝えておきたいと語った言葉ですが、これが本質なのかもしれないと思いました。

そしてこれこそが自分がこの半年悩んでいたことへの自分にとっての解でした。


今、自分を育ててくれたcommunityである「DevLOVE」が変化の時期にあります。その変化の中に自分がいて良いのか。。。私は開発者としての自分ではなく、場を作るファシリテーター、特にダイアログを用いるダイアログファシリテーターとしての自分をDevLOVEで活かしてきたつもりです。ダイアログファシリテーターとしての持論で「ダイアログで会話は成長していく」というのがあり、DevLOVEというコミュニティの中ではダイアログはもう普通のものであり、ダイアログファシリテーターとしての自分は居場所はないというか、次の場にいくべきなのかもしれない。と。

DevLOVEの変化についてはまたいつか書くとして、このDevLOVEというコミュニティの面白いところは、勉強会やイベントをいっしょに開催するスタッフの中でいっしょに仕事をしたいとか、いっしょにモノづくりをしてみたいという欲求がでてきて、実際に合宿などで開発を行いモノづくりを始めていたりしています。つまりCoworkingが個人ベースではありますが、すでに起こっているともいえるわけです。そして、Tony氏は「Coworkingのspaceには会話が必要だ」とも言っていて、ダイアログの存在が確かにそこにはあることを知りました。つまりは自分の居場所がそこにはあるかもと。。。


かなり私的な話が続いてしまいましたが、まとめると、Tony氏の話で自分の体温が上がるの感じ、勝手に認知を受けた感じになって泣きそうになってしまいましたというわけです。w

さてCoworking については、社内においても可能だなと思いました。たとえば朝会は自部署で行い、その後はフリーアドレスでCoworking space があれば、そこに集まって仕事をすることは可能なわけです。先日、別企業の中で社員さん少人数でのダイアログの場を作らせて頂いたことがあって、まさにそのメンバーで昼間の数時間一緒の空間で仕事ができれば、かなりクリエイティブなことが起こりそうだと思いました。これならオフィスを全部クリエイティブな空間に変えなくても、全社員は無理でも、組分けを行ってCoworkingGroupとしておけば十分に行える制度と考えます。


以上が、私が『New Yorkのコワーキング・スペース「New Work City」創業者と語る新しい働き方の可能性』に参加して得たCoworkingへの感想です。

集まり自体では、エコ+クリCafeにすごく惹かれたり、IT業界に限らずLT(ライトニングトークス)は普及しているとも知れたり、「Jelly」という言葉に触れられたり、コワーキング・スペースはすでに結構あることを知ることができたりと、刺激的な集まりでした。

この場を作ってくれた主催の市川さん、スタッフの方、通訳の奈保さん、そしてなにより話をしてくださったTony氏に感謝。

ちなみに、質問時間にTony氏に「Coworking という考え方に『家族』という概念はありますか?」という質問をしてみたのは私ですが、この意図は、community に含まれるものとして『家族』という存在はそこにあるものという意識が自分の中にあったのと、空間として人の家を利用するとか、合宿してみるという働き方になった時には『家族』はどうなるのかなぁと思ったというところがあります。Tony氏の回答には「在宅勤務をずっと続ける時に、家族から離れて仕事をしたいという気持にもなり、そういう時にCoworkingの空間は家族から離れられる場所でもある」ということでしたけど。ww

さて、最後にこの話はここでは終わらないことだけ書いておきます。
実は8月5日(金)夜に自分がダイアログファシリテーターをする場があって、そこで「働き方を『働く場所』という視点で考える」というテーマでワールドカフェというよりはフューチャーセンターという気持ちで場を構築します。ここでは節電対策などで実際に在宅勤務などを始めたり、輪番出勤やそれこそCoworking space の利用、ノマドワークなどが行われることを踏まえて、ただ「あ〜、節電対策で大変だったよ〜」という感想が9月に残るのではなくて、その体験から今後の働き方自体を考えるエッセンスが生まれるように、何か「意識」してみる視点を作れないかなと思っています。


 みなさんはどこで働きますか?

*1:Tony Bacigalupo氏 (New Work City 共同創業者) /”Mayor(市長)” http://nwc.co/ )