2011/04/15:Agile Japan 2011でファシリテーターしてきました

主催の平鍋さんからのオファーをいただいて「Agile Japan 2011」というイベントでダイアログ・ファシリテーターの仕事をさせてもらいました。

Agileアジャイル)」という1990年代後半に欧米で始まった短い期間で動くソフトウェアを繰り返して開発する新しいソフトウェア開発手法に焦点を当てたイベントで、Agileそのものは単なる開発手法からワーキングスタイルにまで変化をもたらすものとして捉えられるようになってきています。

年1回開催し、今年で3回目を迎える有料でありながら申込者が200人を超えるというこのイベント。そんなすごいイベントの最後を締めくくる大事な『ふりかえり』のセッションを『ワールド・カフェ』でと依頼を受けて、やる気にならないわけはなく、ぜひやらせてほしいとお返事しました。

ここ最近ダイアログ・ファシリテーターをやっていて「場」創りにおいて意識するようになってきた1つに、話し手のバックボーン(背景)を活かした方が良いダイアログと、バックボーンを活かさない方が良いダイアログがあるということがあります。今回のふりかえりセッションのファシリテーションでは、後者のバックボーンから切り離した関係性から始まるダイアログを行うことを重量視しました。

理由は、参加者のバックボーンの一番大きな違いの1つに、テーマのAgileを仕事場に取り入れているか否かという点があり、この事は参加者のダイアログの場に臨む意識に影響を与えるものになると考えました。

そこで、参加者の意識と関係性をなるべくフラットに再構成するための工夫を2つ。
1つは自己紹介の仕方。やり方はシンプルで『AgileJapanの△△です』と名乗るだけ。つまり会社名で名乗らないということですが、あまりにもやり方が簡潔すぎて、逆にわかりにくいかもと思ったので、DevLOVEメンバーに頼んで実演をしてもらいました。握手付きで。w
2つ目はダイアログ部分での『問い』の起点になるキーワードを1人1つにして、持ち込む数を平等にすることでした。
こうすることで、どこのだれなのかは関係なく、今、この場の『私』で、そしてお互い同じ量の情報で話を開始できる状況を整えました。
もちろん、そんなに人間の心理は単純なものではないので効果の程は実測できませんでしたが、これらのアイスブレイクとマインドセットで、「その場にあった関係性の再構築」を試みました。

さて、実際のふりかえりセッションの内容ですが、

共有

次に隣の人と2人組になってもらい、先ほどの自己紹介と思い浮かんだキーワードを共有し合う時間を5分間持ちました。それから、その2人組を2組くっつけて4人組にしてからワールドカフェについての説明。そしてそのまま、1つ目の『問い』へ。

【裏話】
実は、このふりかえりのセッションは参加人数が読めなかったので、事前のオペレーションをなるべくシンプルに考えておきました。「ダイアログ用に4人組にする」というゴールを定め、それに対してある程度のオペレーションパターンを想定しDevLOVEメンバーで共有しておいて、後はその場の状況で進めることにしていました。この前提で、DevLOVEメンバーには各自判断してグルーピングをしてもらいました。

1つ目の問いは、『AgileJapan2011からあなたたちが世界に向けてツィートしたい140文字はなんですか?』

私からの補足は4人のキーワードから作ってくださいという言葉と、 #aj11cafe で呟いてくださいていうものだけ。後は参加者に委ねました。
ワールドカフェのラウンド内で集約と決定を盛り込むのは、いつもならしないですが、ダイアログでの『ふりかえり』要素を強める手法として用いました。結果的には、短時間での集中力を高める効果もあったようです。

#aj11cafeのつぶやきまとめ
http://togetter.com/li/124215

2つ目の問いは、『AgileJapan2012であなたたちは何を語りますか?』

この問いは、AgileJapan2011のコンセプトでもある「広がる、つながる、動き出す。」の「動き出す」を起こすための問いでした。こ個人の想いが出やすく発散の時間に、次回の場を想定することでリアリティを足した問いという位置付けです。1つ目の問いからの流れを活かす為に(後、席替えしづらいという環境を考慮して)、ワールドらないカフェ、つまり組み替えなしで進めました。

クロージング

ふりかえりセッションのクロージングは、動き出す行動へのコミットメントを強める為に、2つ目の問いに対する自分への宣言を #4tate カードに書いてもらい、グループ内で宣言してもらいました。



オペレーションの面で、改善できる点は多々ありましたが、その場でのベストなファシリテーションができ、充実感は得られました。うれしくて何度も嫁に話したので、「その話、4回目。。。」と言われるほど。(笑)なにより参加者の方々の笑顔と、ダイアログに参加してくださった主催者の方の熱いトーク姿が見れたのがうれしかったです。


呼んでくれた平鍋さん、準備や会場のセッティングにご協力頂いた事務局の方々、当日に相談したにも関わらず個々で最大限のパフォーマンスを発揮してくれたDevLOVEメンバー、そして、参加していただいた方々に本当に感謝します。

資料も公開しますので、このやり方気に入った方は、ぜひ利用してください。ご相談もお待ちしてます。d(^^o)

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【当日のスライド】
http://www.slideshare.net/gaoryu/aj11

【ワークショップ告知】
 『社内でダイアログ(対話)を始める。【勉強会編】』
 ・日程:2011年05月13日(金)19時30分〜
 ・場所:株式会社ジー・ブーン 会議室(JR秋葉原駅 徒歩5分)
     東京都千代田区神田須田町2-19 野村第3ビル 6F
 ・詳細:http://kokucheese.com/event/index/10144/

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