第10回匠塾:企業改革からIT構築までの見える化事例大集合

不思議な縁からつながりを持たせていただいた匠Labの萩本順三さんが塾長を務めていらっしゃる「匠塾」のオープンセミナーに行ってきました。オープンセミナーということで、普段は契約企業さんの社員さんが対象という塾です。最近、大人のための「塾」大事だなと思います。匠塾の場合は、契約企業さんのコンサルティング的な外からの働きかけにプラスして、匠塾での社員への変革をもたらす内からの働きかけも起こすという企業にとってはうれしいシステムでしょう。先日お手伝いで参加した日本プロジェクトマネジメント協会の懇親会で出た開発の一次請け、二次請けの間をNPO的「塾」でつなぎながらの教育というのは有効かもしれないなんて話もしていたので、改めて「塾」というものの意味を考えてしまうセミナーでした。


内容は「企業改革からIT構築までの見える化事例大集合」という個人的も興味を引く内容。
http://www.takumistyle.net/takumijuku/ps-010.html


そして講演陣も萩本さん、株式会社チェンジビジョン 代表取締役 平鍋 健児さん、株式会社永和システムマネジメント サービスプロバイディング事業部 木下 史彦さんという知っている人にはかなり豪華な布陣。

まずは18時から萩本さんの話。
萩本さんと「匠」の関係性を知っている人にとっては、ぶれのない萩本さんの想いから生まれた話。エンジニアが目指す「匠」⇒「ビジネスエンジニア」の必要性を取り入れた「見える化」についての考え方の話。見える化における「内」と「外」という2つのベクトルの違いを説明しつつ、開発におけるいわゆる「上流」と「下流」という流れを分解してつなぎなおすことで、手段(HOW)の手探りや、手段(HOW)からの上流の要求に対する突上げが起こり、ITによるビジネスの形ができあがっていく。そんな話という風に認識しました。萩本さんの話は他の場所でもよくお聞きしているので、私はすんなりと話の流れに乗れましたが、初めて聴く人にとっては、話の導入部分について「前提」と「話の目的」「話の流れ」が見えにくい分、悩んで話にすっと入っていくのは難しいかなと思いました。前半部分としては既にブレない骨子としての部分が出来上がっているので、万人に対しての「骨子」に入り易い前説も創ってしまうとより効果的に話を集中して聴くことができそうだとも、生意気にも考えてしまいました。


平鍋さんの話はマインドマップとUMLというグラフィカルな話。萩本さんとのつながりを感じたのは「描く」こと。平鍋さんの講演のすごいところは、ちゃんと自社ツールを自然に使って主題を話ていくところ。「見せる」ことが共有の速さを促進させるというのは本質で、「ソフトウェアに役立つビジュアル思考」の必要性はばっちり伝わりました。そして、ある意味対象者がややあいまいな場所での不特定多数に話すことになれていらっしゃると感じたのは、その導入の部分(目的部分)が分かり易くスライドに表わせているところでした。今回の時間の多くは「マインドマップ」の活用方法と、その効果と理由に費やされてました。少し時間が足りなくなりながら、マインドマップから発生した要素とUML、今回はユースケースへの展開と、活用についての話。マインドマップについての話は、私を刺激するキーワードで満ち溢れていて、特にシステム要件ヒアリング用のマインドマップテンプレートの話、マインドマップでギャザリングして、ユースケースに展開してのユーザとの合意構成に関わる使い分けについては、思わず「ほ〜」という声が漏れました。w
何より、今自分がやっている「付箋ノート術」についても論理的な気づきができてよかったです。そして、次の木下さんもそうですが、講演自体がプレゼンになっているところはさすがと言わざるえないです。


というわけで、講演ラストの木下さん。開発者の人にとっては分かり易く、共感しやすい。そして、上流の人にとっては挑戦意欲をかき立てるアジャイルな取り組みの話。タスクカンバンの種類にワクワクしたり、ユーザも含めてプロジェクトチーム(私たち)という意識にしていった開発の話にうらやましさを感じたりしました。実際の様子を見せた画像がさらにイメージしやすくさせていて、プロジェクタの資料も話される内容との流れができていて、洗練されている(個人的印象)と感じました。お客さんといっしょKTPとかすごいと思いつつ、自分の現場ももう少し信頼性を築けたらできるかもしれないとも思ったり・・。今回書き取ったキーワードの中では今見直してみると「コミュニケーションパスを確保して行う」というのがぐっときました。


最後は、講演者+3名で行われたパネルディスカッション。ここではいろんな想いが交錯してましたが、印象に残ったメモは以下のとおり。

  1. 見える化 ≠ 可視化
  2. 「見える化」の先にあるイメージが大事。
  3. ジャムセッション型プロジェクト
  4. 開発において技術的なことがボトルネックになることは少なくなった。ビジネスをどうするかが開発のボトルネックになってきている。


最後は時間切れっぽく終わってしまいましたが、満足感のあるオープンセミナーでした。

今回の匠塾をオープンセミナーにしてくださった萩本さんに感謝。



終わった後、参加していた知り合いと少し話、ワーキンググループと、コーチングの予定が追加されました。ww