関わる場の「過去」を大切にあつかうファシリテーターの視点

ありがたいことにファシリテーターの依頼を受けることは増えてきた。会社の中の大事な会議や、イベントのクロージングセッションワークショップ。どの場でも事前にお願いしてきた方の想いの確認と、可能なら、場(集まり)のいつもの状態にも参加させてもらいます。

私がファシリテーションする時間は、参加者や依頼者の過去からずっと続いている時間軸のひとつの点にすぎなくて、時間は基本、過去から未来に流れてる。だから、「続いていく」ことを前提にした上で準備する。これは私が扱う場が参加者同士が話し合うということに特化しているかもしれないです。

依頼者・関係者の想いで準備して、当日は参加者の状態・想いに寄り添い、反応する。そんな感じ。だから大抵、最後に答えを用意した場はなかったりする。時間は有限だから、その場の終わりに向けて、ファシリテーターがやることを調整しながら進める。よく聴かれるファシリテーターあるあるとしては、『用意した「問い」は使えなかった。』それでも、いっぱいいっぱいまで用意はしますけどね。(笑)

何かを学んで身につけるとか、思考や理論を時間内に各自にとって最大限に価値をだしたりとか、場と人が求めるものが違えばファシリテーションの仕方は変わることでしょう。更にファシリテーター特性もね。そういうものが、依頼する方が選択できるくらいまで普通な存在になればいいなぁ。

「どこにファシリテーターはいますか?」そんな質問をもらって、ファシリテーター系譜というものをうっすら考え始めて、少しだけ他のファシリテーターと一緒に悩んでもらっている。

今年はそこから、ファシリテーターファシリテーターを好き勝手にインタビューする集まりをやってみようかなと。そのファシリテーターが「どこ」にいるのか、ちらりと見えたらうれしいかな。(笑)

とあるファシリテーターのとある打ち合わせ後の帰り道で考えたこと

あるがままは、手を加えても、整えても、あるがまま。

あるがままは、手を加えない、整えないのが、あるがまま。そう考えることで、自分のやれることをしない言い訳に使っている自分が居た。

もちろん、手を加えない、整えないのも、あるがまま。そのあるがままに居ることもできる。

つまりは「言い訳け」に使っていた自分のひっかかりな話。

甘えをぶつけてきたことへの凹み。

結果としては、場には逃げずに居続けるから、何も起こらないことはない。

誤解を恐れずに言えば、いかにファシリテーターが無力かは知っている。だからこそ、居続けること、向き合うことを放棄したら...。これはガオリュウファシリテーターについての骨子。

田舎も、出身地もなんとなく自分にないと感じていてアイデンティティがあやふやになりながら、転校生というアウェーに飛び込み続けてきた自分の居場所は自分で造くるという自分の「ゼロから」というアイデンティティ。ま、ホントにゼロな訳はなかったんだけどね、たぶん。

代わってもらえばいいと言われた時の苛立ちと、委ねることへの嫉妬感。さらに帰りの電車内の喧嘩沙汰に踏み込まなかったことへの自嘲。

葛藤の只中で、たどり着いたのは、誰よりも私自身が「よくないと感じる何か」をダイアログで「変えたい」と強く願っていること。人間の持つ「心」「感情」に触れるとか、見える瞬間を場に生み出したいと思っていること。

私の考えるダイアログの場は自分以外の誰かが居る場。だから、相手の思いも尊厳も持っている何かも全て含めて場の方向は出来ていき、流れるようにしか流れない。

そこすらも相手のことは相手にしか分からないのだと分かってはいるけど、ゼロから何かはあることを意識できるように、認知できる、気づけるとうれしいと思っている。

ファシリテーターが何かを生み出すことはないけど、ファシリテーターも含めた場で何かは生まれる。

ふぅ、どうにかこの言葉までたどり着いた。(笑)

走り書きだけど、家に着いても珍しく書ききるところまでやってみた。

ガオリュウに出逢った人ならなんとなく、知らない人にはなんのことやらかもしれないけど、書き留めた。

もし、なんとなくここまで読んじゃった人がいたら、ありがとう。

英語学習勉強会MPPについて

私が裏方をしている勉強会のひとつにMPPというのがあります。
「MPP」は端的にあらわすと、英語学習について学ぶコミュニティです。

MPPはMajide Perapera Projectの略で、私たちが求めているのは「英語の知識習得」ではなく、ぺらぺらと話せることが目的ではないかということで、この名前が付きました。

コミュニティ結成のきっかけは主催の一人である牛尾剛さんが「ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法」という本を出版されたことです。牛尾さんはほとんど英語をしゃべれない状態から8ヵ月で海外のカンファレンスで発表するまでにいたり、そのために学習法を意識して、工夫して実践されてきました。この本はその体験した学習法にフォーカスして書かれた本です。そしてその本にある内容を元に英語を話せるようになってみたいという私の想いから始まりました。

しかし、私の英語は義務教育で試験で点を取るための英語学習を行ってきた学習のみで、そもそも英語を話すことに苦手意識があり「苦手だから勉強する」という具体的な目的もないままに英語を学習していることが勉強会を重ねていくたびに分かっていくようになりました。

そこで、MPPでは学習法自体を考える場に変わっていきました。内容は、「英語を学ぼう」と思えるきっかけや、学習の継続にもなることとして、英語にまつわる聴きたいこと、話したいことを中心に構成するようになってきています。

【MPPの勉強会開催目的】
英語が苦手で英語を学んでいるが、思うように進まない、もしくは挫折をしてしまった経験の方や、まだ英語を学び始められていない方に、英語学習のきっかけ、継続学習につながる勉強会を提供することを目的とする。

【開催コンセプト】
・開催側が聴きたいと思うコンテンツで開催する。または英語で伝えたいメンバーからのコンテンツで開催する。

主催メンバ

・牛尾剛
普段はアジャイルコンサルタントのはずなのだが、最近は、「ITエンジニアのためのゼロから始める英語勉強法」という本を趣味で描いてからはこういった講演の依頼が多くなってきた。Agile2011の講演に加え、AgileRoots2014やベトナムでの英語講演もこなしてきた。最近は英語勉強コミュニティ「マジでペラペラプロジェクト」というのを定期的に開催している。でも本当はDevOps好きのRubyist. だったりもする。
 著書:「ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法」
http://amzn.to/XRYCPt
 連載記事:「 アジャイルの流儀で英語に挑戦!」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120920/423906/

・高柳謙
企業の研修デザイン・ファシリテーターを担当。牛尾さんの「ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法」を読んで、英語の学習を再開したことをきっかけに牛尾さんと英語学習について考えるグループMPPを始める。
社内で英語ランチも開催していた。

doorkeeper
https://mpp-group.doorkeeper.jp/

カンファレンス実績
http://qcontokyo.com/LT-2_2015.html

書籍「ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法」
http://amzn.to/XRYCPt

ファシリテーターに活きている役者の経験

ファシリテーターに活きているなと思う私の身につけた事の中に、演劇の役者というものがあります。実は大学生の頃に演劇のサークルに入っていたことかあり、演技の勉強をしたことがあります。大根役者だったのでお芝居の道は進みませんでしたが、そこでの学びは活きていると思います。今回はそんな中で2つの練習を紹介します。

 

演技の勉強で役立つとすると、事前に考えたセッションをシナリオ通りに演じれることかな...と思われるかもしれません。実はそこではなくて、役者の練習法に役立つものがあるんです。私が習ったもののひとつに「感情と表情を直結させる」という練習があり、喜怒哀楽が伝わりやすくすることを学びました。悲しい時に悲しい表情。嬉しいときに嬉しい表情。シンプルなんですけど、人と接する役割の時にあんまり分かりにくい、受け取りにくい見え方だと、受けとる側も困りそうかなと。この練習には効果としてはもっと深い部分があるのですが、それはまた演劇論を話すことがあれば...。(笑)これが私にとって活きていると感じるのは、私の場合は感情と演技を分離させすぎると大根役者になるという点からくるんですけどね。( ̄▽ ̄;)

 

もう1つ活きているのは、普通ですが台本読みですね。このセリフはどのシーンでどの感状だからこう話す...と考えて言葉にする。観客にどう受け取って貰いたいかを考える。もちろん受け手は自由に受け止めるんですけど、台本の真意を伝えるために練習します。それから、日常ではあんまり会話で必要な言葉しか発していないですし、ファシリテーターをやってみて話すことはあっても、セリフ、というよりは単に伝えたいことを「言葉で発する」(ここには表情や体の動きまもいずれ加わりますが)にフォーカスする時間は台本読みなどでしかないのかなと。ま、独りっ子の私はいっぱいありましたけど(笑)。

 

いや、そうはいっても役者さんの練習の場には行けないしと思うかもしれませんが、最近は知り合いのファシリテーターやコーチがインプロという役者の学びを体験できる場を設けています。大学の頃の役者な知り合いも表現力を上げるための講座を作っています。ここに書いたやり方いがいにも、ファシリテーターに活きるものは多くあると思いますので、興味か出たら、そんな場を探してみてはどうでしょうか?もちろん、相談にも乗りますので。

※あ、大学の頃の劇研の方からのいろんなツッコミは優しくお願いします。( ̄▽ ̄;)

 

【あとがき】

昔、私が中学生の現国の授業で朗読がありましたが、そこで一度だけ、本気で感情を込めて読みきったことがあります。その時に聞き手が自分の言葉に集中して読みきった後に完全な静寂が訪れて、後に全員大爆笑!という体験かありまして、ノートにいたずら書きしてる奴も、女子にちょっかい出してる奴も、早弁してる奴も、「俺の声を聞け!!」的にやったのを覚えてます。言葉を発することには力がある。そんな体験があるのでより伝え方を活かす役者に憧れたのだろうな。

3月26日に英語学習勉強会を実施しました。

昨日(3月26日)にMPPの3月の勉強会を実施しました。
「英語学習勉強会「英語の達人に聞く Sallyのモテ英語講座 入門編」」

MPP(マジでペラペラプロジェクト)という英語が苦手な自分のために、牛尾さんと始めた集まりですが、英語が苦手な人たち、もしくは英語の学習中の人たちに英語で行なわれる勉強会が行なわれる様になったり、自分の体験を英語で発表したりと参加者各自が自分自身でこのイベントでアウトプットもするようになったこと、英語を教える側の人たちが自分の理論を英語が苦手な人たちに立ち向かったり、フィードバックもらったりという場に変化していったことが、いろんな「きっかけ」となっている気がします。

昨日の勉強会では私自身は、サリー先生の講義で英語への感覚・英語圏文化への認識というマインド部分を英語仕様に変化させ、小島さんの英語の講演に対して英語の相づちを打つようにして英語を話す脳に徐々にしていき、その勢いで英語でクロージングセッションするという挑戦をやりきりました。


苦手だし、英語分からないけど、しっかりと「英語」を意識する空間では聴き取れないくやしさ、またはなんか英語でつい答えてしまいそうな、「yes!」となんか言葉がこぼれちゃいそうな気持ちになる勉強会というのも「あり」なんだと思っています。もちろん、英語の学習は人に合ったものが見つかるかどうかなのかもしれないので、私の感覚は私にだけしか起きていないかもしれませんが…。


とはいえ、まずは「楽しむ」場になっていたらうれしいです。
さて4月のMPPのイベントは、完全日本語ですが、「なぜ英語を学ぶのか?」を考えるところから向き合って、学習の計画にまで仕上げるまさに英語学習の勉強会という内容になってます。

お申し込みはこちら
英語学習勉強会「自分だけのための英語勉強計画作成ワークショップ」


以下、案内文---------------------------------------------------------------------
MPP事務担当の高柳です。4月のMPPは4月8日の夜にワークショップ形式でお届けします!
内容はMPPとしても大事にしている各自の英語学習への「想い」部分にフォーカスします。今回は英語学習の先生ではなくて「考える」ことを助けてくれるプロの方が協力してくれる事になりました!
以前、英語を仕事に使っている人としてMPPでも話しをしてもらったことがある柴田さんですが、柴田さんは私自身もパーソナルなコンサルとしてもお世話になっています。まさに相談の中で話した内容が実現した会が今回となります。
MPP自体でも英語学習を再開するきっかっけはなんだったのかなど考えたことはありますが、今回はそれを自分と向き合って考えて、計画にしていくという時間になります。
英語学習を始めた人も、少し悩み始めた人も、これからもっと高い目標に向かっていきたい人もオススメです!
柴田さんからのメッセージ
人はどうして勉強するのでしょうか?
大学生と社会人の一番の違いは、やはり時間のように思います。
社会人になって、自分だけの時間はどんどん少なくなりました。
朝早く出勤して、電車で眠気眼をこすり、残業で遅くなって帰る時には
疲れて勉強する余裕もない。
それなのに、英語なんてなぜ、という方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
もしかしたら英語というやつは、今の業務には直接の関係はない、優先順位は低い、
という人もいらっしゃるかもしれません。
あるいはひょっとしたら、英語は自分にはできない、勉強しても成長しない、
という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、どうしてもやりたいことがある。
あるいは、このままではいけない、とか、誰か目指している人がいて「あんな風になりたい」、とか、
そんな風に感じて、自分の貴重な時間を使って勉強する、勉強会に参加するのではないでしょうか。
だとしたら、わたしにも少しはお手伝いできることがあるのでは、と思って今回の企画をしました。
MPPは素晴らしい場所で、英語を勉強する様々な機会を提供してくれます。
MPPスタッフの高柳さんとお話した時に、高柳さん自身は英語の勉強がどうしても続かなかったと聞きました。
でも、勉強せずにはいられないから、MPPが立ち上がったわけです。
この「勉強せずにはいられない」心が強まり、なりたい自分になれる。
目指すところに近づく、自分の人生をより輝く充実したものにする、そんなお手伝いができたら、と思います。
教育のためのTOC(=TOC for Education, TOCfE)は、明晰な思考を実現する3つのツールを提供します。
それは小学生からCEOまで使えるシンプルで本質的なものです。
今回はその中のAmbitious Target Treeを使って、自分のゴールを明確にし、自分に最適な自分だけの英語学習計画を作ります。
きっとこの計画づくりが、あなたを爆発的に進化させ、なりたい自分に近づけてくれるものと信じています。
【プロフィール】
 柴田 昌洋
プログラマーから転身、企業の全体最適の改革を助けるコンサルタントとして活躍中。みんなの夢と希望の実現をお手伝いするため、教育のためのTOCを武器に日々活動しています。

お申し込みはこちら
英語学習勉強会「自分だけのための英語勉強計画作成ワークショップ」

【番宣】3月22日にふりかえりのワークショップを担当します

本当に「明日から使える」という意味では正しい日曜日に開催のイベントが今週末3月22日(日)にあります。

Agile Samurai Basecamp 2015.03 はじめてのふりかえり

 場所:東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号渋谷マークシティ ウエスト13階
    株式会社サイバーエージェント


「ふりかえり」といえばKeep、Problem、Tryを付箋などで上げて共有する「KPT」がポビュラーですが、実際にふりかえりをするのはどんな時でしょう?何かツールや手法を知った時に、まずはすぶりして(試して)みたくなる私ですが、ツールのプロセスが明確な場合は、各プロセスで参加者に何が起こっているのかをすぶりの後に自分のフィードバックで明確にするようにしています。そこからどんな時に何が良さそうかをマッチングさせてみる。「ふりかえり」と一言で言ってもいろんなやり方があるもので、あなたがやってみたいふりかえりはいったいどんな「ふりかえり」でしょう?

主催は「agile samurai base camp」という「アジャイルサムライ」を読んだ人が、「さて、どう始めようか…」となったりするところを、しっかりと初めの一歩を踏み出せる様に実践もして、さらに実践者との交流も行なえるという場ということです。

 

さて、今回の「ふりかえり」のイベントですが、講演パートとワークショップパートが別れていて、講演パートは「アジャイルサムライ」の監訳者でもあり「agile samurai base camp」の主催の一人でもいらっしゃる西村直人さんによる「そもそもふりかえりとは」という内容の講義が行なわれます。私の担当するワークショップは講演後の時間で、実際にふりかえりを体験してみるというものです。もちろん、単にふりかえりを実施するというものではなくて、ふりかえりに参加する部分、ふりかえりをするとはどういうことなのかを考える部分、そして、実際に自分の場でふりかえりを提案して実践するための部分というカタチで行なう予定です。

 

例えば、ふりかえりというのは、「何のために」という部分が前提にありますが、自分自身がそのふりかえるテーマに対して「どう考えているのか」を考えて、表層化して、表現して相手に伝える必要があります。これは「リフレクション」と呼ばれる部分になると考えていて、外部の勉強会でも自分の現場で実際に他のメンバーと共に行なうと「あんまり変なことは言えない」とか「ちょっといいこと言いたい」とかいうのが、深層心理的に発生してしまって、本当に自分が言いたいことになっていない場合が有ります。また、ふりかえりをやったことない現場に対して提案してやってみる場合、最初だし一番メンバーに迷惑がかからない時間にしようとして、金曜日の定時ぎりぎりにやることになったとすると、参加者な「早く帰りたいな…」とか「疲れたなぁ…」という状態になっていて、勉強会で聴いたようななんか楽しい雰囲気が再現できない…ということが発生します。


そこで、今回のふりかえりのワークで、自分が実際にどういうふりかえりをやってみたいかを明確にして、明確にした上で、ワーク後の実践者達の事例発表を聴いて、相談したり、悩んだりする、そういう場になると想像しています。


「リフレクション」部分についても私のファシリテーターの知り合いである「リフレクション・コーチ」の向井 清二さんを向かえて、普段のIT勉強会から一歩専門性にも踏み込んだ内容でお届けしたいと思います。


期日が迫っている上に、3月22日は魅力的なイベントも多く行なわれていますが、もしご都合と興味が一致しましたら、ぜひご参加ください。

 

Agile Samurai Basecamp 2015.03 はじめてのふりかえり

 

 

Design Sprint Night! に参加してきました。

3月5日の木曜夜にDesign Sprint Night! 〜 先駆者たちから聞くDesign Sprint の実際 - connpassに参加してきました。このイベントのまとめ記事はきっと他の方が書いてくださるだろうということで、散文的に自分にピンときたことや思考したことを書き残しておこうと思います。


そもそもデザインスプリント自体はFacebookのタイムラインに「デザインを生み出すスピードが短くなってきている」という感じのつぶやきと共に「5日間」という日程の情報で流れてきたのを読んだのが、目にしたきっかけです。そこからファシリテーターとしては、そのプロセスが気になって、関連の記事やデザインスプリントを紹介したスライドなんかも読みながら、興味を深めていきました。そんな時に、このイベントの告知を目にして、速攻で申し込みをww

当日は、5人の実践者の方のお話を短めのプレゼンとトークの形式で聴きました。1つのワークもやってみる時間があって、それが更に興味を持たせてくれました。

さて、私が感じた事ですが、まず講演されたみなさんのデザインスプリントの良いとする点がほぼ同じというとこが実は興味深かったです。今、考えるともしかしたらファシリテートやアドバイスをされた方が同じ人だったりした影響かもしれないとも思いますが、誰がやっても同じポイントに行き着くのは、もしかしたらプロセスが秀逸なのかもとも思いました。つまりは、ワークショップとしてゴールが「○○を体感として持ち帰る」とした場合に、参加者のほとんどが同じ感想を持ち帰ることができる。つまりはそのプロセス、ツールの本質を正しく伝えられるものなのかも知れないということです。

それから、実際に導入されている方が良いとするポイント(もしくはこのポイントを押さえないと威力半減なポイント)に「意思決定者を巻き込む」というのがあったのですが、これは主に話し合いで決定した事項に対して、参加しなかった意思決定者によってちゃぶ台返しをくらうからなどの課題があるということです。それに対してデザインスプリントの立て付けで改善するというのは、ワークの良い活用方法だなと思いました。決定の仕方がおかしいので、決定の場にあなたも来てください。よりも、クリエイティブで新しいデザインを生み出すやり方があるんですが、一緒にやってくれませんか?で体感させることができるなら、それはきっとお互いに良いことだと思いました。実は、デザインスプリントのプロセスにはその課題についての改善策が仕組みとして他にも入っているというのが私にとってのすごいなと思えるポイントなのです。

普段、私はダイアログ・ファシリテーターとして「対話」を大事に場を造っています。もちろん「対話」と言っても、話すことだけではなくて、沈黙も共有の為に描くなども含まれますが、デザインスプリントでは合意形成における「納得感」を大事にしていると思われ、アイデア出し後の収束・選択をする時に単にプレゼンや話しがうまい人の意見が採用されないような仕組みを備えています。投票というシステムですが、意思決定者には他のメンバーよりも投票回数が多くできるようにしていて、意思決定者のアドバンテージも確立できています。このことは私にはちょっとしたインパクトでした。対話における場でもフラットさを意識したりするのですが、意思決定者は意思決定者としての立場で話しをするのも「仕事場」ではフラットと言えるのかなと(ちょっと無理矢理な説ですが…w)。もちろん、意思決定者が他の人の意見を否定したりするのは意味がないと思っていて、デザインスプリントでは「良い」と思ったものに投票するだけなので、ダメだな…と思ったものへの否定はなく、その上「Yes and」という人の考えに「プラスして」とか「それに乗っかって言うと」というような相乗りがファシリテートのメソッドとして伝えられているのも、よいなぁと思いました。ワークの部分ではファシリテーションが活きそうです。

仕組みという面で最後に書いておきたいのは、プロトタイピングとユーザーテストがそのプロセエスに含まれていること自体が強みなのだということと、期間を明確に区切り、初日にその最後に必要なユーザーを決めてアサインされることで〆切駆動にもなるということです。日本人に合っているという書くといろいろ言われそうですが、根がまじめな人たちが多いのであれば、制限や仕組みは有効に働くと思います。それらに合わないという人もいるでしょうけど、対話の場では「時間」とのトレードオフが成り立っている場であれば、時として発言しない=黙っている=反対ではない。と捉えてしまわなければという部分が、短期間で素早く回すこのプロセスの中では強引にやらなくてよいというのがぴったりだなと思いました。

 

最後に問題というか、スライドやこの日の講演でつかみきれなかったことは2つ。
1つは「理解」というフェーズでのメソッドというか在り方が肝だなと思いつつ、デザインスプリントをする上でのクリアする「理解」が私の中で明確にはできませんでした。ここは説明がほとんどなかったので、単純に理解に足りる情報が足りなかっただけなのかもしれませんが…。もう1つはテーマ設定のさじ加減が難しそうというところです。粒度や範囲、そういったことも何回か回すことで、精査されていくことだと思いますが、テーマ設定をファシリテーターに任された場合、ちょっと違うかもと感じていて、参加者と共に最初に考える部分なのかも知れません。デザインスプリントをやる時のプレ打ち合わせが必要なのだと思いました。


今の時点の私の受け取り方としては、デザインスプリントは「仮説と検証」を導入するひとつの方法なのではないかというところです。クリエイティブなブレストと比べるのはちょっと違う。言ってみるとブレストと比較できるのはデザインスプリントの一部部分でしかないのかなと…。


短時間でやるものがこれからいろいろ出てきそうだと思いますが、セッションのゴール設定、その集まり、組織、企業のゴールを意識しながら準備を整えると、もしくは明示した上で情報が共有されはじめるとよりよいものになっていきそうだなと思いました。


一気に書き上げたので、いろいろ理論破綻もあるかと思いますが、少し寝かせて見直ししてみます(笑)。